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立退に関連する法律
短期賃貸借保護制度とは?
平成15年の法改正前までは「短期賃貸借保護制度」というものがありました。
この「短期賃貸借保護制度」とは、たとえその物件が競売にかけられ、売却されても賃借人が建物の場合3年以内、土地の場合は5年以内という短い期間で賃貸借契約を結んでいたら、賃借人はその権利を新しい所有者に対しても行使できるという制度です。この制度は、賃借人の保護とされていながら、競売手続きの途中で賃借期間が終了した賃借人は保護対象ではないなどの不平等がありました。また、買受人から立退料をせしめるために悪用されることも多く、平成15年の法改正で廃止されました。そして新たに「明渡猶予制度」が導入されました。
明渡猶予制度の登場
平成15年の法改正で「短期賃貸借保護制度」が廃止され、新しく導入されたのが「明渡猶予制度」です。この「明渡猶予制度」は、賃借契約期間に関係なく、その物件が競売にかけられ、所有者が変わっても買受後6か月はその建物で住むことが認められることになりました。この猶予期間内は買受人に賃料に相当する金額を支払うことになりますが、その支払いを1か月以上怠ると猶予期間そのものが無効となります。「明渡猶予制度」では、買受人に対して敷金返還を請求することはできません。ただし、平成16年にこの法律が施行される前に「短期賃貸借契約」を結んでいる場合は、引き続き「短期賃貸借契約」の保護が適用されています。この適用は、この法律が施行された後に更新された契約も含まれるので注意してください。
「明渡猶予制度」施行後に新規に建物賃貸借契約を結んだ場合、「短期賃貸借権」に基づく保護は受けられません。「短期賃貸借権」に関しては「登記簿謄本」の「乙区」を確認してください。
裁判所による引渡命令
競売で落札し、その物件の所有者になっても、占有者がその物件を明渡さない場合、新所有者は裁判所に「引渡命令」の申し立てをすることができます。申し立ては原則として代金納付日から6か月以内に行います。所定の審査の後、裁判所は占有者に対し「引渡命令」を「催告」として通知します。占有者による任意の明渡しを催告しますが、1か月経過しても明渡されない場合「強制執行」が断行されます。「強制執行」通達から断行までに1か月の猶予があります。それでも出ていかない場合は「強制執行」が断行されます。その際撤去作業のプロ集団に委託するのが一般的です。これらの委託には約100万円前後の費用がかかります。
どういう理由があれ、「強制執行」は気持ちのいいものではありません。そのため買受人は立ち合いを控えるケースが多いようです。
このように買受人も一定の費用を負担したり、面倒な手続きを行わなければならない「引渡命令」ですが、訴訟を起こすよりは迅速に対応できる方法といえます。